雇用保険に加入していないことが分かるとき

20年間一生懸命そして誠心誠意に勤めてきた会社。

実は会社が雇用保険に加入していなかったことが会社の退社後に発覚した。

なんていう事態は稀かもしれませんが、実際にある問題です。

未加入だから失業保険(雇用保険)をもらえないの!?

そんな事はありません。もらえますが、いくつか不利な点があります。

なぜ未加入だったのにもらえるの?
雇用保険の加入は過去にさかのぼって手続きができるからです。

ここではそんな事例をご説明します。

この手続きのことを、遡及(そきゅう)手続といったりします。

雇用保険をさかのぼって加入する

会社として雇用保険に加入していなくても加入資格の要件さえ満たしていれば加入できるのですが、原則として最大で2年前までしか遡及できません。

よって、たとえ何十年間勤めていたとしても会社として雇用保険に加入していないと雇用保険の加入期間は最大でも2年間になってしまうのです。

遡及手続きによる雇用保険の加入日ですが、退職日から2年前になるわけではありません

会社が資料をハローワークに提出した日から2年前ですのでご注意ください。

また、2年を超える遡及も可能な例外がありますが、それは後述します。

未加入であるの具体例

前提として、加入期間が2年になってしまったとしましょう。

2年という数字は何に影響してくるの?
それは所定給付日数と、教育訓練給付に影響してきます。

46歳のサラリーマンが20年以上勤めてきて未加入だった場合を具体例としてご紹介します。

加入期間の違いによる様々な影響

この例の場合は、次のような影響があります。

雇用保険加入期間 2年間 20年以上

会社が倒産した場合の所定給付日数

180日

330日

自己都合退職の場合の所定給付日数

90日

150日

こんなにも違うのです。

会社が倒産してしまった場合はなんと150日差。絶望的なくらい違いますね。

このように雇用保険に加入しているかどうかは重要な問題ですのでしっかりと確認しておく事をお勧めします。

雇用保険に2年を超えてさかのぼって加入する方法

雇用保険に遡って加入できる期間は原則として最大2年間ですが、例外があります

給与明細書などで雇用保険料が控除されていることが分かる資料が提出できるのであれば、2年を超えてさかのぼって加入することができます。

(確認資料は、給与明細書、賃金台帳、源泉徴収票を提出します。)

しかし、個人で給与明細書を何年分も保管するということは稀ですし、会社も過去の給与関係の資料は5年くらいで破棄してしまうところもありますので、あまりに長期間になってしまうと期待は薄いかもしれません。

さらに、会社は自分の会社で雇用保険に加入していないことを前提に給与計算しているのであれば、給与から控除されていることは無い・・・はずですしね。(控除されていたら着服ですね。)

例外が発生した場合の現実的な対応

雇用保険料さえ控除されていれば、原則として2年を超えてさかのぼって加入できるということはご説明してきました。

ですが!

この手続は、退職した人だけ処理だけではなく在職している人や、過去に辞めた人など会社全体の話になりますので、ものすごく大変です。

過去数年分の給与明細書や出勤簿を集めたり、入社日と退社日の確認・履歴書の確認、保険料の算定、労働保険の加入手続き・・・・などなど、膨大な手間と時間がかかります。

そしてこの事例は専門性が高いため会社だけでは対応できないでしょうから、専門家(社会保険労務士)を探さないといけない・。

こんなことをやってるとあっというまに一カ月は経過しますし、会社側の出費もそれなりに発生します(労働保険料、専門家への委託報酬など)。

ですので、こんな場面に直面したら会社と相談して損害賠償金をもらう方向で解決を目指した方が現実的かと思います。