再就職したときにもらえる『再就職手当』

失業保険中にある一定の条件を満たして就職をすると、再就職手当というお祝金がもらえます。

この記事では、再就職手当をもらえる条件をご紹介します。

再就職手当は就業手当の制度とよく似ています。 本記事を読まれる前には、関連記事の就業(就労)したときにもらえる就業手当を読まれることをお薦めします。

再就職手当の支給計算式は、平成29年1月1日に改正されました。

早期の再就職の場合の手当の割合が上昇しております。


再就職手当をもらえる条件とは?

再就職手当をもらえる条件は以下の様なものがあります。

再就職手当がもらえる条件

  • 就業についた日の前日において基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること
  • 離職前の事業主に再び雇われたものではないこと
  • 失業保険の手続きをする前に雇われることが約束されていないこと
  • 給付制限期間が開始してから1ヶ月以内の再就職の場合は、ハローワーク等で紹介で就職した事であること
    (給付制限期間を1ヶ月経過していれば、ハローワーク等以外の紹介による就職でも大丈夫です)
  • 再就職の日前の3年間において再就職手当をもらっていないこと
  • 1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると見込まれる職業についたこと
  • 事業を開始した者で一定の条件を満たす者

このような条件がついています。

就業手当の記事を読まれた方は、以下の疑問が生まれます。

就業手当とほとんど似たような条件ではないですか?

確かにおっしゃる通りです。ほとんど同じです。

とりあえず次の重要なポイントを覚えておいてください。

再就職として認められるのは、1年を超えて安定的に雇用されそうであること
(つまり長期で雇われる見込みがあること)

ちなみに、この判断を誰がするのかというと、雇用契約書や就職証明書(就職先の会社で記入してもらう書類)などを確認してハローワークが判断します。


再就職手当の金額の計算式は?

再就職すると、気になるのは手当金の金額でしょうか。

再就職手当の計算式は2通りありまして、所定給付日数の残日数によって以下のとおり計算します。

所定給付日数を3分の2以上残して再就職した場合

支給額 = 基本手当の日額 × 失業保険の支給残日数 × 70%

所定給付日数を3分の1以上残して再就職した場合

支給額 = 基本手当の日額 × 失業保険の支給残日数 × 60%

なお、計算式の中の基本手当の日額には上限金額が設定されていますので、基本手当の日額がものすごく高い場合であってもこの上限額に置き換わることには注意してください。

退職日における年齢の範囲 基本手当の上限額(例)
60歳未満 6,105円
60歳以上65歳未満 4,931円

上限額は毎年変動します。

そしてもうひとつ就業手当との大きな違いがあります。

その例をご紹介するために具体例を用いてご紹介します。


再就職手当の詳細

具体例の条件は、就業手当でご紹介した具体例と似たような例にします。

具体例

  • 6月末日にA社を自己都合退職(つまり給付制限期間3ヶ月有り)
  • 7月13日に失業保険の申込
  • 失業保険の受給開始日は10月20日
  • 所定給付日数は90日
  • 11月1日から、1年勤めるだろうと見込まれるB社に再就職した
  • 再就職手当をもらった
  • しかし再就職したB社も3月31日に辞めた(自己都合退職)

さて、この様な場合にどうなるでしょうか?

 

まず最初に考えるのは、次のことでしょうかでしょうか。

B社で働いてから辞めたのだから、B社で加入していた失業保険で新しい失業保険の受給資格を得られないかな?

新しい就職先での雇用期間は11月1日から3月末日までの5ヶ月間しかありませんので、残念ながら一般被保険者の受給資格を満たしていません。(被保険者期間が足りないためです。)

ですので、新しい失業保険は支給されないのです。

失業保険をもらえる基準がよく分からない方は、関連記事失業保険受給資格に出てくるいろいろな期間って何?の中の具体例をお読み下さい。

しかしこの場合、失業保険をもらえます

ようやく登場しましたが、実は、これが就業手当との大きな違いなのです。

ここが違う!就業手当と再就職手当

就業手当と再就職手当の違いを単純に表現すると、以下の通りです。

就業手当をもらうともらった日数分の所定給付日数が減るが、再就職手当をもらっても所定給付日数は就業手当の様な減り方をしない

この減り方の違いがポイントで、それは法律で次のように定められています。

雇用保険法56条の2、5項(要約)

再就職手当が支給されたときは、支給された再就職手当の額を基本手当の額で除して得た日数に相当する日数分の基本手当が支給されたものと扱われる。

再就職手当を支給するとその額に相当する日数分ほど基本手当を支給したと扱う、と書かれています。つまり、再就職手当をもらったとしても、もらった日数分の所定給付日数が減っているわけではないのです。

ちょっと難しい用語が並んでしまいまいましたので日常的な用語で表現すると、就業手当の記事では所定給付日を売ったと表現しましたが、再就職手当は所定給付日数の質入れしたというイメージで良いかと思います。

このイメージをつかって、以下の具体例で文章にしてみました。

再就職手当をもらってから再び失業した場合のイメージ

  • 失業保険の申込をしたら失業保険をもらえるための回数券をいっぱい渡されたが、わりと早めに再就職先が決まったので回数券は不要になった。
    ⇒そこで、その回数券はとりあえず質入れしてその分の金額をもらった。(これが再就職手当
  • しかし再び失業してしまったのでその回数券が必要になった
    ⇒だから回数券を質から出してもらった
  • しかし、質入れしたときにもらった金額(再就職手当)に相当する回数券が手数料として減らされていた

これを計算式で表すと、何日分の所定給付日数が残されているのかがわかります。

所定給付日数の残日数
 = 所定給付日数 − 再就職前にもらった基本手当の日数 − (再就職手当の額 ÷ 基本手当日額)

再就職手当の金額を具体例で計算する。

それでは、先ほどの具体例に金額を入れて考えてみましょう。

  • 失業保険の基本手当日額:6,000円
  • 再就職手当の基本手当日額の上限は5,800円(上限額は毎年変動します。)
  • 11月1日から再就職したので、再就職手当をもらえる日数は78日分
  • 3月末日に会社を辞めた
  • すでに給付制限期間を終えているので追加で給付制限期間は発生しない

以上の内容で計算してみます。

 

10月20日から失業保険の支給が開始。

再就職する前の日である10月31日までの間の12日分の基本手当が支給されていますので、

再就職までに失業手当が支給された日数は12日分 ・・・(値1)

そして11月1日に再就職したことによってもらえる再就職手当の金額は、

再就職手当 = 日額5,800円 × 70% × (90日−12日)  = 316,680円

再就職した事で31万円ほど再就職手当としてもらえました。

 

しかし今回の場合は3月31日に会社を辞めて再び失業の状態になってしまいました。

そうすると、支給された再就職手当基本手当の何日分に相当するかを計算しないといけませんので、以下の通り計算します。

支給されたとみなされる日数 =  316,680円 ÷ 基本手当日額6,000円 =52日 ・・・(値2)(小数点以下切り捨て)

よって、4月1日から失業保険をもらえる所定給付日数の残日数は、次の通りとなります。

支給日数 =
 所定給付日数90日 − (値1) − (値2) = 26日

この日数分だけ再び失業保険をもらうことができます

今回の例では1ヶ月近く所定給付日数が残っていましたので、少しだけは生活の心配をせずに就職活動に励む事ができそうですね。

再就職手当をもらう就職の場合に忘れてはいけないこと

平成26年4月1日より、再就職手当をもらえる再就職をした方は、一定の条件を満たす場合に就業促進定着手当という手当が支給されるようになりました。
条件に当てはまる人は申請しないともったいないので、手当の情報については次の記事を一読ください。