失業保険の受給期間中に働くこと

失業保険の不正受給が発覚したら3倍返し

非常に有名な格言とも言うべき決まりで、失業保険をもらおうとする方にとってこの言葉を知らない方はいないかと思います。

そこで、不正受給とは?と質問すると

失業保険受給期間中は働いてはダメという決まりですよね?

と思ってしまう方が多いみたいですが、その表現は正しくはありません。

働いて収入を得ても正直に報告しないこと、それが不正受給です。

つまり3倍返しさせると法律で脅してまでやりたい事は、要するに『ウソはダメよ。正直に。』ということなのです。

雇用保険法第10条の4 1項(要約)

偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けたものがある場合には、支給した給付を返還する事を命ずることができ、さらに支給した額の2倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。

計算式でいうと、次のとおりです。

返金額 = 受給した金額 + 受給した金額の2倍 = 受給した金額の3倍

この法律の中にはどこにも働いてはダメとは書いていません偽りその他不正の行為をしてはならないとだけ書いてありますので、正直に報告すれば認めてくれるのです。

 

しかしながら働きすぎると失業保険が減っていきます

例えば、1日4時間以上で週に合計20時間以上かつ7日以上の労働であれば、就業手当の対象になります。(何度も言いますが、正確に報告をすれば不正受給ではありません)

それでは偽りその他不正な行為というのはどういう行為なのかといいますと、例えば、

就職したのにも関わらず、雇われ先の事業主と共謀して失業保険をもらい続ける

こういう事が代表例です。

以下に、この不正受給の内容についてもう少し掘り下げてご紹介します。


事業主と共謀する!?不正受給の代表例。

不正受給について、もう少し掘り下げた話を確認しておきましょう。

上でご紹介した『偽りなどの不正行為』の代表例は、以下のような内容です。

労働者を雇ったら事業主はその者の雇用保険などの加入手続きをしなければならないが、その手続きをせずに隠れて雇っている(もしくは隠して雇われている)

失業保険をもらって、さらに給料ももらえるなどという不正受給者だけがお得になりそうなこの話に、なぜ事業主が乗ってしまうのかが不思議だと思われうかもしれませんが、理由は以下の通りです。

 

会社が労働者を雇った場合、ほとんどの会社においては以下の手続きが必要です。

  • 雇用保険(←失業保険のこと)
  • 健康保険
  • 厚生年金保険

雇用期間や労働時間によって加入する保険は異なりますが、その説明は省略します。

こういった保険料の全てを労働者が負担するのであれば不正受給もある程度減ると思うのですが、こういった保険に加入させると事業主は給与以外に負担しなければならない保険料が発生するのです。

つまり事業主にとって、労働者を雇っている事を正直に報告するということは給料の他にもコスト(人件費)がかかる話なのです。

そして労働者にとって、雇用保険の手続きをされるということは就職したことが役所にバレてしまうということになるので、隠れて失業保険をもらい続けるにはそういった保険への加入手続きをしてもらっては困るのです。

少し話がブラックな話になってしまいましたが、結局のところ、

給料以外の出費はできるだけ抑えたい会社
と、
失業保険と給料を一緒にもらってウハウハになりたい失業保険の受給者

こんなにも見事に利害関係が一致してしまうために、こんな状況が生まれてしまうのです。(人手不足で、どうしても早く入社してほしいときとかにもこの方法が使われます)

その他にも離職票の偽造(離職理由のねつ造、離職日の改ざん、再就職日の虚偽報告)などもありますが、とにかく、こういった不正行為が後を絶ちません。

こんな状況だったら3倍返しという脅威な数字も納得できてしまいますね。

ちなみに、この偽りの行為による不正受給が発覚すると、理由によっては事業主側にも連帯して3倍返しの責任を負わせるという決まりもあります。


やめよう!不正受給

上記のような共謀作戦は労働者と事業主だけが隠していればバレそうもなさそうですが、ほとんどは違うところから発覚してしまうんです。

例えば、以下の通り。

  • 労働者の近所に住んでいる人・身近な人からのハローワークへの密告
  • 内部告発
  • お役所からの監査(抜き打ち検査など)が入った場合
  • 労働者に災害があった場合の手続きの過程
  • 手続き上のミス(例:内部の事務員が間違って手続きを進めてしまった)

こういうことが原因で発覚しますが、ほとんどが通報だそうです。

ところで、世の中には雇用保険に加入させなければならないのに、故意に(または加入義務があることを知らないで)加入手続きをとっていない会社が山ほどあります。

例えば雇用保険に加入していない会社とは、以下の通りです。

  • 個人経営の食堂やレストラン
  • 夜のお店(ホストクラブやキャバクラ)
  • 季節限定事業である事業(海の家など)で働く場合
  • 雇用保険にも入らなくてよいと法律で認められている事業
  • 農業・漁業などのお手伝い

これらに挙げた事業は、根付いた文化というか気質によって雇用保険うんぬんはほとんど気にしていない方ばかりの場合が多い事があります。(もちろんしっかりしたお店もあります。)

ですので、そういったところで働けば失業保険もらい放題・バイトし放題ということが可能なのです。

しかしながらやっぱり告げ口によっても不正受給が発覚してしまうわけで、危険は伴います。

仲のよい関係でもちょっとしたトラブルで密告されるなんていうこともありますしね。

そういうことで、不正受給はお勧めしません。いえ、絶対にやめましょう。

2016年に個人番号(マイナンバー)が導入されたことによる影響について。

会社が給料を支払った場合には、本人が住んでいる市区町村に給与支払報告書という書類を提出します。(給与支給額が30万円以上の場合は提出が必須などの要件があります。)

いままでは市区町村のデータはハローワークとは繋がっていませんでしたが、今後はこのようなデータが一元管理されるようになってきますので不正受給が発覚されやすくなるのではと考えています。