職業訓練で失敗しない為の選び方や注意点・年代別おすすめコース
就職・転職のために無料で学べる職業訓練制度があります。
この記事では、職業訓練で失敗しない為の選び方や注意点について解説。
実際にあった失敗パターンや年代別おすすめの訓練コースも紹介します。
職業訓練の種類について
職業訓練を選ぶ時にまず確認したいのは
「自分はどの種類の訓練が受けられるのか」
という点です。
職業訓練には種類があり、無料で受けられるのは主に下記の2つ。
- 公共職業訓練(うち離職者訓練)
雇用保険受給資格者が対象 - 求職者支援訓練
雇用保険受給資格のない方が対象
一般的に、会社を辞めて訓練を受ける場合は公共職業訓練のうち離職者訓練を受けることが多いです。
一方、求職者支援訓練は長年仕事をしていない方(雇用保険に入っていなかった方)でも通うことができます。
まずは、自分に雇用保険の受給資格があるかを確認してみてください。
ちなみに、雇用保険を受給するには下記の2つの要件を両方満たす必要があります。
- ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。(病気やけが、妊娠や出産などの為すぐに就職できない場合は基本手当を受け取れません)
- 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
訓練コースについて情報収集
次に、どのような訓練コースがあるのか情報収集します。
< 主な情報収集の方法 >
職業訓練検索サービスで検索する
公共職業訓練や求職者支援訓練など条件を絞って検索できます。民間に委託されている訓練なども含め様々な訓練が集約されているので、まずはこちらで検索するのがおすすめです。
>ハローワーク職業訓練検索
ハローワークで訓練案内のチラシを見る
ハローワークには訓練の受講生募集チラシが置いてあるので、直接見に行くこともできます。募集チラシには訓練校の写真が掲載されているものもあるので、雰囲気を見てみたい方は直接ハローワークに出向くのもありです。
他にもハローワークで訓練相談を行うなどの方法がありますが、いきなり訓練相談を行うのはおすすめしません。
ハローワークで「なにか良い訓練ありますか?」という相談をしても、解像度が粗く「就職する気あるのかな?」と思われかねないからです。
“就職の意思がない”と判断されると職業訓練に通わせてもらえません。
(詳しくは下記の記事で解説しています)
『職業訓練校に通える人(対象者)とは?条件・コースや手続きの流れを解説』
気になる訓練をあらかじめピックアップしてから「この訓練を受けたいんですけど…」と相談を行うのがおすすめです。
また、タイミングよく希望の訓練が実施されるとは限らないので早めに情報収集を始めるのが無難です。
(早い方は会社を辞める前から情報収集しています)
職業訓練を選ぶ際のポイント
情報収集をしたら、実際にどの訓練に応募するのかを選んでいきます。
訓練を選ぶ際のポイントは下記の5つです。
- どの業界・職種を目指すのか明確にする
- 授業の難易度が適切なコースを選ぶ
- 生活費と訓練期間の兼ね合いを考える
- 通学の距離や経路を確認する
- 訓練校の雰囲気を確認する
なぜこの5つなのかというと、実際にこれらのことをよく考えず入校し、後悔する人を見てきたからです。
1つずつ説明していきます。
どの業界・職種を目指すのか明確にする
まずはどの業界・職種を目指すのかを明確にします。
気になる職種の仕事内容や待遇面・求人の応募条件などなるべく詳しく調べ、現実的に就職できそうな職種の訓練を選ぶのがポイントです。
「思ってたより残業の多い業界だった…」
「未経験からの就職が難しい職種だった…」
イメージしていた仕事と違うことに、入校した後で気付くケースがあります。
(その場合、もともと希望していた職種を諦めていく人が多いです)
しっかり調べてから希望職種を決めて、その仕事に就くために足りないスキルを習得できる訓練を選びましょう。
授業のレベルが適切なコースを選ぶ
授業のレベルが自分に合っているかを確認するのも大切です。
「授業が難し過ぎてついていけない…」
「授業の内容が簡単すぎる…」
パソコンコースで年配の方が必死になっている横で若い方が退屈そうにしている場面は、特によく見かけます。
やる気満々で入校したものの、このギャップが原因で途中退校する人もたびたび見受けられます。
レベルが合っていないと訓練自体が無駄になりかねないので、要注意。
具体的な対策として、訓練案内のチラシに書かれている”資格取得欄”を見るといいです。
例えば「エクセル1級の取得が目指せます!」と書いてあるなら、実際にその過去問を確認すると難易度がイメージできるかもしれません。
また、訓練校によっては「未経験の方でも目指せます!」といった感じで対象者を書いていたりします。
もし不安であれば、直接訓練校に連絡して聞いてみるのもありです。
生活費と訓練期間の兼ね合いを考える
生活費と訓練期間の兼ね合いを考えるのも大事です。
通常、職業訓練期間中は在職中の時に比べて収入が減る場合が多いです。
「生活費が底を尽きそう…」
「訓練途中だけど稼ぐ為に退校しないといけない…」
訓練期間は2ヶ月のコースから1年かけて学ぶコースまで様々。
もちろん期間の長いコースのほうが比較的がっつり学べますが、収入が減った状態がそのぶん続くことになります。
収入・貯蓄の状況や生活費と訓練期間の兼ね合いを考慮して訓練をれ選ぶのも大事です。
職業訓練中にもらえるお金については下記の記事で解説しています。
『職業訓練中にもらえるお金はいくら?手当・支給金額や受給する為の条件を解説』
通学の距離・経路や駐車場を確認する
自宅から訓練校までの距離や経路も確認してください。
車での通学を考えている方は、駐車場の有無も確認する必要があります。
「意外と乗り継ぎが多くて毎日遅刻ぎりぎり…」
「駐車場がない(もしくは駐車代のかかる)訓練校だった…」
意外と通学が大変だということに、通い始めてから気付く人もいます。
通学手段は軽くみられがちですが、訓練を無理なく継続するためには注視しておきたいところです。
訓練校の雰囲気を確認する
訓練校の雰囲気を事前に把握すると、より自分に合ったコースを選ぶことができます。
訓練案内のチラシや訓練校のホームページには授業風景の写真が載っていることがあるので、チェックしてみましょう。
訓練校によっては見学・説明会を開いている所もあるので積極的に参加するのもいいかもしれません。
また、「教室の雰囲気はどんな感じですか?」と訓練校に直接電話して聞くと色々教えてもらえたりします。
私の経験則ではありますが…
基礎的なことを学ぶコースほど和気あいあいとしている場合が多く、プログラミングなど難しいコースほど淡々とした雰囲気であることが多い印象です。
就職率は目安程度でいい
「訓練の目的は就職なんだから、就職率で選んだほうがいいんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、就職率はあくまでも目安程度です。
(もちろん高いに越したことはないですが)
理由は下記の3つ。
- 就職率はどの訓練校も似たり寄ったり
- 就職率の低い訓練校は淘汰されている
- そもそも就職率の数字の出し方が微妙
就職率が著しく低い訓練校は開校申請が通りにくく、自然と淘汰されるような仕組みになっています。
また、訓練と関係ない職種に就職した場合でも「就職」扱いとなるため、そもそも就職率の統計の出し方が微妙だったりします(訓練にもよります)。
なので、就職率ありきで訓練校を選ぶ必要はありません。
20代におすすめの訓練コース
ここからは、年代別におすすめの訓練コースを紹介します。
こちらも目安程度ではありますが、訓練校側の視点から紹介していますので参考にしていただけると嬉しいです。
まずは20代におすすめの訓練コースから。
●Webデザインコース
●プログラミングコース
●簿記・経理事務コース
20代は、比較的専門性の高いコースがおすすめです。
これらのコースは授業の内容が難しいだけでなく、就職活動でも若い方が特に有利になります。
というより、これらの職種に「未経験・30代以上」で就職を目指すほうがかなり難しいんです。
東京のwebデザインの職業訓練はめちゃくちゃ倍率高くてさらりと落ちた。京都の友人は通えたけど年齢で再就職できず延々と事務派遣。ちゃんと就職まで面倒見てくれる保障までセットでしてほしい
— ミミ (@femimi33) March 20, 2022
PCやスマホ操作に慣れている世代という意味でも、20代の方に挑戦してほしいコースです。
30代におすすめの訓練コース
30代の方には、多少専門性があり”人との関り”を持ちやすい職種のコースがおすすめ。
●簿記・一般事務コース
●パソコン上級コース
●ネイリストコース
スキル習得や未経験からの就職が現実的なコースです。
これまで積んできたコミュニケーションスキルと掛け合わせて活かしやすいという点でも、30代の方におすすめです。
40代以上の方におすすめの訓練コース
40代以上の方には、資格が取りやすく就職の間口が広いコースがおすすめ。
●介護・福祉系コース
●土木・造園コース
●パソコン初級コース
介護・福祉系の仕事は資格が取りやすく需要もあります。
集中して作業するのが得意な方であれば、土木・造園コースを検討するのもいいかもしれません。
個人的にはパソコンの基礎を学ぶコースもおすすめです。
日報や進捗状況の入力・簡単な文書の作成ができるようになると、仕事の幅も拡がるので。
後悔先に立たず!自分に合った訓練を選ぼう
職業訓練を選ぶ際のポイントをまとめると、下記のとおりです。
事前準備
- どの種類の訓練を受けられるのか確認する
- どんな訓練コースがあるのか情報収集する
職業訓練の選び方
- どの業界・職種を目指すのか明確にする
- 授業の難易度が適切なコースを選ぶ
- 生活費と訓練期間の兼ね合いを考える
- 通学の距離や経路を確認する
- 訓練校の雰囲気を確認する
「なんとなく」で選んでしまうと、訓練そのものが無駄になってしまうこともあります。
活かすも活かさないも、あなた次第。
後悔のないよう、自分に合った訓練を選んでください。
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