職業訓練の選考試験に合格するには【面接のコツなど訓練校側の視点で解説】

職業訓練の選考試験に合格するには【面接のコツなど訓練校側の視点で解説】 職業訓練

職業訓練の選考試験に合格するには【面接のコツなど訓練校側の視点で解説】

職業訓練を受講するには選考試験(筆記・面接)に合格しないといけません。

(訓練によっては書類選考のみの場合もあります)

 

職業訓練に合格する為に、手続きの段階から対策できることがあります。

 

この記事では職業訓練の選考試験に合格する為のコツを解説。

選考試験を控えている方や、これから訓練の受講を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

 

職業訓練の受講手続きはハローワークで行う

職業訓練を受講したい場合、通常はハローワークで訓練相談を行います。

訓練相談を行うには求職登録を済ませている必要があるので、まずは「求職登録したい」旨をハローワークの窓口で伝えるといいでしょう。

 

ハローワークで手続きを行う際のコツ

ハローワークで手続きを行う際は、あらかじめ受講したいコースに目星をつけておくとスムーズです。

さらに

「なぜその訓練を受けたいのか?」

「なぜその訓練が必要なのか?」

を自分なりに整理し、質問された時にしっかり答えられるようにおいてください。

 

また、ハローワークで訓練相談を行う際は就職意欲があることを伝えるのもポイントです。

「選考試験だけ乗り切ればいいんじゃないの?」

と思うかもしれませんが、ハローワークで相談を行う段階から就職意欲など適性をチェックされます。

 

就職意欲がない・訓練の必要性がないと判断されると、願書(受講申込書)をもらえない場合もあるので要注意。

“ある意味”手続きの段階から面接が始まっていると考え、しっかり準備しておきましょう。

 

職業訓練校に通える人(対象者)とは?条件・コースや手続きの流れを解説

 

願書(受講申込書)の書き方

職業訓練の願書(または受講申込書)にも、作成時のポイントがあります。

基本的なところでは

  • 字は丁寧に書く
  • きれいな写真を使う
  • 誤字・脱字に注意する

など。

これは就活時の応募書類にも同じことがいえますよね。

 

願書の様式は訓練によって違いがありますが、記入する内容はおよそ下記のとおりです。

  • 志望理由・志望動機
  • 就職活動状況
  • 希望就職時期
  • 希望職種
  • 学歴、職歴、資格

 

志望理由・志望動機

志望理由・志望動機の欄では、就職意欲や訓練の必要性を上手く伝えるといいです。

例)志望理由・志望動機
私は○○の仕事に就きたいと考えていますが、実務経験や資格がないため就職に繋がっていません。独学で○○についての勉強もしていますが、1人では難しいと感じています。本コースは資格取得だけでなく実務に通じる内容になっており、○○への就職に活かすために応募いたしました。しっかり学び、着実に就職に繋げられるよう頑張っていきたいです。

 

悪い例
「家族・友人にすすめられて…」
→主体性がない、やる気がないと捉えられる
「資格が取れるので応募しました…」
→資格取得だけが目的と捉えられる
「○○が趣味で、知見を広げるために…」
→趣味の延長・学びたいだけと捉えられる
「訓練を通してやりたい仕事を見つけたいです…」
→具体性・計画性がなく、就職意欲が感じられない

 

「自分にはこの訓練が必要で、絶対に就職に繋げたい」

という意志を盛り込みましょう。

 

就職活動状況

就職活動状況の欄では、現在どのような就職活動を行っているのかを記入します。

既に面接を受けているなど、実際に活動している方はその旨を書いて下さい。

 

嘘・偽りなく書けばいいですが、「特に活動していません」だと就職意欲が感じられませんよね。

少なくとも求人誌やインターネットで仕事を探したり、転職エージェントに登録するなどしておいて具体的な活動状況を記入するのが無難です。

 

希望就職時期

再就職したい時期について記入する項目です。

「訓練修了後すぐ」

「なるべく早期の就職を希望します」

など、就職したい時期を書けばOK。

ちなみに訓練校としては「訓練修了後すぐ」のほうが嬉しいです。笑

 

職業訓練では訓練修了後3ヶ月以内の就職を目標としています。

訓練修了から3ヶ月までに何割の人が就職できたかで統計が取られ、それが訓練校への評価に繋がるというわけです。

 

そのため、就職に消極的な表現は避けましょう。

悪い例
「じっくり仕事を探したい」
「もしも良い会社が見つかったら就職したい」

 

希望職種

希望職種には、実際に就きたい職種を記入します。

必ず受講したい訓練と整合性をもたせてください。

例:「プログラミングコース」なら「ITエンジニア」など。

 

たいてい訓練のポスターやチラシに「○○(職種)を目指す!」などの文言が書かれていたりするので、それを確認しながら書くと無難です。

 

学歴、職歴、資格

自分の経歴については、できるだけ細かく記入します。

基本的には嘘・偽りなく書けばいいですが、保有資格が多すぎる場合や取得してから年月が経っているものは省いてもいいでしょう。

 

こちらも訓練との整合性をもたせる必要があります。

例えば、前職がバリバリのIT系だったりIT資格をいくつも持っているのに「パソコン基礎コースを受けたいです」と言っても、訓練の必要性を伝えるのは難しいですよね。

 

その点にも注意して記入する必要があります。

 

筆記試験の内容【訓練により様々】

筆記試験の内容は訓練によって様々で、難易度にも幅があります。

(訓練によっては筆記試験がない場合もあります)

 

私が居た訓練校では簡単な漢字や四則演算の問題など、事前勉強をしなくてもほぼほぼ解けるような問題ばかりでした。

(試験時間20分程度)

 

とはいえ、訓練によっては方程式など比較的難しい問題が出題されるケースもある為、心配な方は下記のリンク先を参考に予習してみてください。

>都道府県別 職業訓練 過去問題

 

また、訓練に関する問題が出る場合もあります。

例えば、IT系のコースであれば

Q.インターネット上のデータを自分のPCに保存する操作を何というか。

A.ダウンロード

という感じです。

 

どのような問題が出題されるのかハローワークの方に聞いてみるのもアリですが、必ずしも答えてくれるとは限らないので期待はしすぎないでください。

 

筆記試験の選考基準は比較的ゆるい

職業訓練の筆記試験は入社試験とは異なり、一番になる必要はありません。

筆記試験で確認したいのは

「授業内容を理解できるか?」

「授業についていけるか?」

です。

 

通常は合格ラインが設定されていて、私の訓練校では6割以上とれれば合格ラインクリアでした。

もちろん、人気のコースでは点数が良いに越したことはないので油断は禁物です。

 

職業訓練の面接の内容

職業訓練の面接は、応募者1人・面接官2人(またはそれ以上)で行われるケースが多いです。

(応募者が多い場合は集団面接になることもあります)

 

訓練校にもよりますが、たいていは下記の流れで進みます。

  • 自己紹介
  • 志望動機
  • 訓練の内容について
  • 前職の退職理由
  • 「最後に質問はありますか?」

言葉遣いは丁寧すぎる必要はなく、通常の敬語ができていれば問題ありません。

入社面接ではないので、よほど横柄な態度でない限り細かい所作まで気にしなくても大丈夫です。

 

面接時の服装(スーツで臨む)

面接時はスーツ着用という決まりはありませんが、スーツで臨んだほうが本気度が伝わりやすいです。

スーツを用意するのが難しい場合は、オフィスカジュアルなど清潔感のある着衣で臨めば問題ありません。

 

派手過ぎたり、明らかに清潔感に欠ける格好(無精ひげ、サンダル履きなど)は避けましょう。

 

職業訓練の面接のポイント

職業訓練の面接で主に見られるポイントは下記のとおりです。

就職意欲があるか?
願書の志望理由と同様、「資格が取りたいだけ」「人に言われてなんとなく」などの発言はNG。
就職できそうか?
客観的に見て就職が難しそうな場合、不合格になりやすいです。表立って言われることは少ないですが、年齢が高いと合格しにくくなることもあります。
クラスメイトと協調できそうか?
訓練期間中、訓練校やクラスメイトとトラブルを起こさず過ごせるかという点。前職の愚痴などネガティブな発言はなるべく避けるのが無難です。
訓練を欠席せずに通いきれそうか?
遅刻・欠席が続くと、授業についていけなくなったり給付金を止められたりして退校の原因になることがあります。訓練校としてはなるべく退校してほしくない為、遅刻や欠席しそうな人は不合格になりやすいです。体調が万全であることを伝える他、小さい子供がいる場合は子供が体調を崩した時にみてくれる家族がいることを伝えるなど、休まず通いきれることをアピールできるといいです。

 

合格発表はいつぐらい?

通常、選考試験から1週間ほどで合格発表があります。

郵便で合格通知が届く場合と、訓練校内に合否結果が貼り出される場合があります。

 

合格発表の時期や方法については、選考試験の際に案内があるかと思いますので聞き漏らさないようにしましょう。

合格発表の際、合格者には入校案内や準備するものなどもあわせて案内があるはずです。

 

万が一合格通知が来ない・案内がないなどの場合は、手違いの可能性もあるのでハローワークか訓練校に問い合わせてください。

 

失業給付の残日数が多いと合格しやすい?応募者区分について

公共職業訓練では「失業給付の残日数が多いほど優先的に合格しやすい」と言われることがあります。

具体的には、残日数ごとに応募者区分が分かれていて日数が多い区分ほど優先的に合格しやすいというもの。

 

これについては、正直「微妙」というのが本音です。

私の訓練校では「応募者区分」が併記された応募者リストがハローワークから送られてきていましたが、それをもとに加点することはほとんどありませんでした。

 

選考試験の点数が同じ2名が居て、どちらか一方が合格になるという場面で参考程度に見ることはありましたが、ごく稀です。

 

応募者区分が明確な合否基準になるわけではありません。

訓練校によっては、そもそもハローワークから応募者区分の情報が知らされないケースもあるとのことです。

 

訓練説明会に参加すると合格しやすくなる?

「ハローワークなどで行われる訓練説明会に参加すると合格しやすくなる」

という情報もありますが、こちらも直接的な加点要素になるわけではありません。

 

ただ、訓練説明会に参加することで訓練校の雰囲気を掴めたり職員に自分のことを印象付けられることがある為、そういう意味では参加しておくのがおすすめです。

 

もしも不合格になってしまったら

職業訓練の選考で不合格になってしまった場合、主に2つの選択肢があります。

  • 他の訓練に応募する
  • 就職活動を開始する

 

他の訓練に応募する

他の訓練に応募する場合、前回はなぜ不合格になったのか見直してください。

また、再度応募する際は前回と似た職種の訓練を選ぶのがおすすめです。

 

前回は「Webデザインコースに通いたいです!」と熱弁していたのに

今度は「介護コースに通いたいです!」と言っても、説得力をもたせるのは難しいので。

 

就職活動を開始する

不合格になってしまった場合、訓練は諦めてすぐに就職活動を始めるという手もあります。

その際ハローワークでも就職活動を行えますが、紹介状をもらう度に順番待ちをしたり、既に枠の埋まった案件が混在していたりするので、少し効率は悪いかもしれません。

 

「30分以上待たされたうえに当たり障りのない会話で終わってしまった」

という方も多いのではないでしょうか。

 

就職活動を始める場合は、転職エージェントを利用するのもおすすめですよ。

 

訓練校目線になれば合格にグッと近づく

「訓練を通して就職してくれそうな人」はたいてい合格します。

訓練校側の目線になってみるとイメージしやすいと思います。

 

「自分ならどんな人を合格にしたいか」を考えて、選考試験を上手く乗り切れるヒントにするのをおすすめします。

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