失業保険の受給資格があるかどうかを判定する期間が被保険者期間

被保険者期間とは。

失業保険をもらうためには、被保険者期間というものをしっかりと理解しておく必要があります。

今回の記事は被保険者期間について触れています。

被保険者期間とは失業保険をもらうための前提条件

失業保険をもらうためには次の条件を満たす必要があります。

自己都合退職の場合、離職の日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月分必要であること

簡単にうと、最低1年間は勤めなければ失業保険をもらえないということです。(自己都合の場合)

会社都合退職の場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月分あればよいという特例が設けられています。

さて、この記事の中に被保険者期間という用語が出てきましたがこれを詳しく説明していきます。

被保険者期間の数え方

一般被保険者(代表的なものはサラリーマン)の被保険者期間とは次のように数えます。

被保険者期間の計算方法

離職日からさかのぼって、被保険者であった期間を1ヶ月ごとに区切り、それぞれの期間の中に労働した日数が11日以上ある期間を被保険者期間1ヶ月とする。

入社から退職までの期間が短くて1か月未満の期間が発生する場合があります。そのときは以下の条件を両方とも満たせば0.5カ月としてカウントしてくれる特例があります。
  • 1 か月未満の期間の日数が15 日以上あること
  • その期間内に賃金支払基礎日数が11 日以上あること

具体例として、6月30日に退職した場合を考えてみましょう。(下図参照)

申込日と初回講習・初回認定日の関係

図の解説

資格喪失応答日

  • 6月30日に退職なので7月1日が資格喪失応答日
  • 7月1日の一ヶ月前は6月1日
  • 6月1日の一ヶ月前は5月1日
  • 以下繰り返し。4月1日、3月1日、2月1日・・・・
離職日の翌日を資格喪失応答日とよびます。

被保険者期間のもとになる単位

  • 6月1日から6月30日
  • 5月1日から5月31日
  • 4月1日から4月30日
  • 3月1日から3月31日・・・繰り返し

この図であらわしているのはあくまでも被保険者期間を数えるために区切った期間であって、肝心な条件を付け足さないとなりません。

それは、

その期間の中でそれぞれ11日以上働いていたかどうか
という条件です。

働いていたかどうかとは、正確には賃金支払基礎日数といわれるものであり、実際に労働した日や有給休暇の日数を合計して11日以上あるかどうかという意味です。

よって今回の例で被保険者期間があるかどうかは、

  • 6月1日から6月30日までの間に賃金支払基礎日数が11日以上あったかどうか
  • 5月1日から5月31日までの間に賃金支払基礎日数が11日以上あったかどうか
  • ・・・以下繰り返し
とみていくわけです。

その期間の中に賃金支払基礎日数がが11日以上ある月を被保険者期間1ヶ月と数えます。

そして、6月30日から被保険者期間を数えていって、被保険者期間が12ヶ月分あれば失業保険をもらう事ができるということです。

何度も注意で申し訳ございませんが、これはあくまで一般被保険者の被保険者期間の数え方です。短期雇用や短時間の場合は今回の数え方と異なりますのでご注意下さい。

被保険者期間を数えることができる期間

離職日から1ヶ月ごとに区切っていき、労働日数が11日以上あれば被保険者期間1ヶ月。

これを繰り返していく・・・。

と、ご説明しましたが、5年前とか10年前までとか、無制限に遡って計算してくれるわけではありません。

被保険者期間を数える事ができる期間は限られている。

という事は覚えておきましょう。

 

被保険者期間の月数をを計算してくれる期間のこと算定対象期間と呼び、原則として離職日から2年前までです。

今回の例の場合は6月30日に退職したということですので、被保険者期間を数える事ができるのは離職日から2年前の7月1日までということです。

よって、失業保険をもらうためには2年前の7月1日から6月30日までの間で被保険者期間が12ヶ月あればよいという事です。

2年間というのはあくまで原則です。
例えば、この2年間の間に病気や負傷、出産などによって長期の休業していた場合は、その期間分ほど追加で延ばしてくれるという決まりもあります。(ここでは詳しく説明していません)

これは被保険者期間12ヶ月?11ヶ月?

退職した時に被保険者期間が余裕で12ヶ月あれば何も心配はありませんが、就職してからちょうど1年後くらいに退職する場合が非常に難しい計算になります。

例えば以下の例では被保険者期間は何ヶ月でしょうか。

具体例

  • 2007年4月28日就職
  • 2008年4月5日退職
  • 就職してからは一日も欠勤せずにフルで働いた

この例の様に、
就職日と離職日の期間がそれほど長くない場合で、さらに就職した日付と退職した日付がバラバラな場合が複雑で難しくなります。

このままでは分かり辛いので以下の通り図にしてみます。

被保険者期間は足りている?

冒頭でご紹介 した方法で調べていくと、
図の中の4月5日から前年の5月6日までの期間は被保険者期間の条件を満たしていることが分かります。

ということで、4月5日から5月6日の間では被保険者期間は11ヶ月です。

失業保険をもらうためにはあと1ヶ月必要ですね。

それでは就職日の4月28日から5月5日までの期間はどう数えるのか。

この間のカレンダー日数は9日しかありませんので、被保険者期間1ヶ月とは扱われないため、被保険者期間12ヶ月分を満たすことができず、失業保険をもらう事はできません

この点はものすごく重要なポイントですので、離職する際は念入りに就職日を確認しておく必要がありそうですね。

注意!就職日が資格取得日にならない場合がある。

ここまでの説明の中で便宜上就職した日という言葉を使って説明してきましたが、
厳密な言葉で表現すると

雇用保険の資格取得日(被保険者となった日)がいつか
という意味です。

逆にいうと、

就職日が雇用保険の資格取得日にはならない場合がある
ということにご注意下さい。

しっかり確認しておかないと、

就職してきっちり1年間働いたのに、退職してみたら被保険者期間が足りなかった!
という最悪の場合が起こり得ます。

 

例えば、以下の例が考えられます。

派遣で働く場合で、最初の数ヶ月間を短期の契約で働いて、次の更新時に契約が更新されるかどうか分からないという場合です。

この場合、派遣期間開始日(就職日)から雇用保険に入れてくれない場合があります。

これはにいろいろ理由がありますが、代表的なものとしては以下のような理由でしょうか。

行政手引20372

期限を限って、派遣就業する事を希望するものや、その者の希望職種、技能等からみて期間を限った派遣就業しか見込みの立たない者については、被保険者とはならない。

『被保険者とはならない』ということは、つまり

働き始めた日が雇用保険の資格取得日になっていない
と、いう一つの例ですね。

さて、この短期の派遣契約の場合ですが、
数ヶ月の短期契約を満了すると、その職場で長く働いてくれないかとお願いされる場合があります。つまり派遣契約の更新です。

この場合、契約の更新日が雇用保険の資格取得日になります。

ということは『契約の更新日』が雇用保険の被保険者に該当する日になりますから、その日から被保険者期間を数えることができるということです。

間違っても、更新できるかどうか分からなかった最初の契約期間の初日まではさかのぼりませんのでご注意下さい。

派遣で働く方にとっては契約の更新が上手くいかなかった場合などで失業保険を使う機会も増えてくるかと思いますので、この点を気にしながら働いたほうがよいかと思います。

 

その他にも、なぜか会社の独自ルールがあって、保険の加入日は毎月1日に統一しているなんていう会社も実際にあります。(中途入社の場合は翌月1日ということ)

この場合は、

在籍は1年間あるのに、ハローワークに行ったときに足りないことが発覚した!
なんていうことになってしまいます。

これに関しては違反行為ですので資格取得日の訂正を行ってもらうことは可能です。

しかし面倒な手間が発生してしまいますので、会社が迅速に対応してくれるかどうかがポイントとなります。

実務上でこの対応を何度かやっていますが、理由書の提出、離職票の返却、離職票の訂正、資格取得の訂正、賃金台帳と出勤簿の提出など、かなり大変な作業です。
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