『所定給付日数の残りが少ない(3分の1以下等)の場合、職業訓練校に通うことはできないのですか?』
という質問をよく受けます。
結論から先に申し上げますと、通えます。
選考で不利に扱われる場合が多いですが、他の受講生と同等の失業保険の支給を受けながら職業訓練校に通うことができます。
いくつかのサイトの中では
「3分の1残っていなければ職業訓練校に通えない」
と紹介されていたり、
各都道府県にあるハローワークのWebサイト上ですら
『所定給付日数が180日以上の受給者は3分の1以上残していなければならない』
と、いろいろな条件で紹介されているので、失業保険のことを調べ始めた方にとっては誤解を招くことこの上ない状態になっています。
この様に大きな混乱を招いている現状でありますが、厳密に表現するのであれば通えないということはありません。
通えます。
所定給付日数が90日であっても、150日であっても、330日であっても、訓練開始日に所定給付日数を1日でも残して訓練を開始すれば失業保険をもらいながら職業訓練校に通うことは可能です。(しつこい?)
なぜこんな混乱を招いている状態になっているのかは分かりませんが、原因のようなものはあると感じています。
以下を読んでいただければ、なんとなくそれが分かるかと思います。
失業保険をもらいながら職業訓練校に通うための条件
まず最初に整理しますが、失業保険をもらいながら職業訓練校に通うための最終的な条件は、以下の2点です。
- 職業訓練校の選考に合格できるか
- ハローワークからの「訓練指示」を受けることができるかどうか
この2点をクリアしていれば、訓練開始日に所定給付日数が1日でも残っていれば職業訓練期間が終了するまで失業保険をもらい続けることが出来るということなのです。
この中には『所定給付日数の残りが・・・』という条件はありません。そこがポイントです。
では、1と2の具体的な内容を紹介致します。
選考の要素「応募者区分」
職業訓練校の受講者選考に合格できるかどうかは、年齢、学歴、試験結果、面接結果・・・などなど、いろいろな要素で決まりますが、最も重要な要素の一つとして「応募者区分」というものがあります。
この応募者区分については本編『職業訓練校への合格率を上げるには』でも触れていますので、詳細の説明は割愛させていただきますが、要するに
『所定給付日数を多く残っている者のほうが、合格の優先順位は高い』
というものです。
そんなことをいうと、
所定給付残日数が60日と59日の人を比較した場合に60日の人が優先されるの(°Д°)?
という疑問も出てくるかと思いますが、さすがにそこまで微妙な差を比べてはいません。
では、どうやって比較しているのでしょうか。
先ほど、比較の要素として使われるのは「応募者区分」ということはご紹介しましたが、
応募者区分を決定するのは所定給付日数
であり、どういう分け方になっているのかというと
所定給付日数が150日以上なら残30日以上、180日以上なら残3分の1以上・・・・
という内容で区切られているのです。(詳しくは上記リンクの記事へ)
この「応募者区分A」が「B」になることによって合否にどれだけ影響があるのかは分かりませんが、試験結果や年齢、学歴・資格の有無等の内容を加えた総合的な内容で選考結果が決まりますので
所定給付日数が少ないからといって絶対に訓練校に通えないということにはつながらない
ということがお分かりいただけるかと思います。
とはいえ、やっぱり応募者区分は重要な要素ですので合格率を上げるためにはBよりもAを狙う方が有利になることには間違いありません。
ずいぶん前に窓口で確認したときにハローワークの職員も、
『Aの方が合格率は高いんです(⌒-⌒)』
と笑顔で言ってましたので。
ちなみに、応募者区分は『訓練開始日当日において何日残っているか』で計算します。
「申込み日当日」ではございませんのでご注意下さい。
受講指示って?
もう一つの重要な要件として
職業訓練校に合格しても受講指示がなければ職業訓練校に通うことは出来ない
というものがあります。
ですが、現実問題として職業訓練校の選考に合格しなければ受講指示を受けることはできません。
なんだか
タマゴが先か?ニワトリが先か? ┐(゚〜゚)┌
という妙な感じを受けますが、訓練校の申込みを行う時に『その者に受講指示を与えることが出来るかどうか』という判断が行われますので、かろうじて受講指示が先であるといます。
ちょっと難しい概念ですが、この受講指示はハローワークの「裁量行為」となっています。
裁量行為とは「法律に明確に定められていない、ある程度行政の判断に決定が任されている行為(ただし法から外れるような行為はダメ)」というもので、受講指示を与える・与えないの基準はハローワーク毎によって異なるのです。
ハローワークによっては、この受講指示の行為の根拠として「応募者区分」を使っているところもあります。
ということは、ハローワークから
「所定給付日数の残りが少ないからダメよ」(←これも一種の裁量行為)
と言われてしまったらそこでアウトとなってしまうわけです。
ですが、他の要素を含め
「この人は所定給付日数が少ないが、技能習得の意思が強く再就職に役立ちそうだ」
と判断されれば「受講指示を受け得る者」となり、職業訓練校に申込みを行えるということになります。(ただし、選考に合格するかどうかは別の話です。)
また、所定給付日数が多く残っている様に見える者でも、
認定日飛ばし(認定日に行かなかったから所定給付日数が減らずに多く残っている)
とか、
あからさまに直前に所定給付日数を調整するがごとくバイトを始めて開校日までに所定給付日数を残した
なんていう場合には
『(怪しいから)受講指示を与えることはできません(# ゚Д゚) 』
という判断を下されてしまい、訓練の申込みすらできないなんていう場合もあります。
以上の結果、
「所定給付日数が○○日、××分の1以上残っていなければ訓練校に通えないという条件は無い」
合格率等で多少不利に扱われるだけ
ということがお分かりいただけたかと思います。
Webサイト上で所定給付日数等の条件を付しているハローワークであっても、どうしても訓練校に通わなければ職が見つからないといった場合は理由を説明して、申込みを行えるように頑張ってみる価値はあるといえます。
本気で困っている方にとっては訓練校への道が残されています。
(本記事は2006年6月21日にハローワークに直接確認した内容に基づいて作成しています)